top of page
実践
8. しとやかな人
〈ブルグミュラー25の練習曲より〉
この曲で学ぶこと
装飾音符への入口
- バッハや古典派でよく使われるトリルやターン,モルデント等へつながる音型
- 細かい音符を音抜けせずに打鍵する

装飾音符とは
音を華やかに飾るために書かれた細かい音符を装飾音符と呼びます。
英語ではGrace notesと言います。graceとは,上品な,優美な,という意味の言葉です。
バッハやモーツァルトなどの作品にはよく出てきます。下にいくつか例を挙げます。
譜例① 小さい音符が書き込まれているタイプ。モーツァルト「ソナタK330ハ長調第2楽章より」

譜例② 図形のような記号に略されて書かれているタイプ。バッハ「インベンション2声9番より」

譜例③ 図形ではなく,文字「tr」(トリルの略)が記号化したタイプ。ハイドン「ソナタ ホ短調第3楽章より」

「しとやかな人」の最初の部分を上のような記号を用いて表記すると,下の譜例の下段のようになります。軸になる音の動きが見た目にわかりやすいですね。

練習方法
細かい音符がでてくると,指を速く動かそうと,焦って絡まったり,音がすべったり,鳴りきらなかったりすることがよくあります。
ここでは一音一音,確実に打鍵するための練習をしていきたいと思います。
両手で右手パートの練習をする

左手はたいてい右手より不器用ですが,こういう練習の場合,右手が左手に合わせることで、右手が焦ったり絡まったり先を急ぎすぎたりするのを左手が押しとどめてくれます。
両手で弾きながら口ずさむ
タタタタ…と言うときの「t」の子音と,打鍵の子音をそろえます。

その他、強弱記号、スラー、フレージング、Q&A、形式、和音のバランスなどは、今まで勉強してきたとおり取り組んでおきましょう。
ダウンロード用楽譜
bottom of page