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読譜
8. Q&A
(Question and Answer/問いと答え)
Q&A:フレーズとフレーズの掛け合い
フレーズはただ連なっているのではなく,フレーズとフレーズが掛け合い,絡み合い,フレーズとフレーズの会話で音楽が展開していくような作りになっています。
この掛け合いを〈Question & Answer〉(問いと答え/以下「Q&A」) と呼んでいます。
Questionとは「問い」,問いかけるときの「〜?」の尻上がりの勢いがあります。
Answerとは「答え」,問いへのその答えが示され,納得し,勢いが落ち着きます。
この Q&A は楽曲を分析する際,⾮常によく使われます。
どこからどこまでが Question で,どこからどこまでが Answer か……これは楽譜に明⽰されているわけではなく,⾃⾝で楽譜を読み,フレーズの流れや和声進⾏,曲の構成などから⾃⾝で決めます。
下の楽譜はベートーヴェンの交響曲第9番4楽章の有名なテーマですが,これを例に見てみましょう。

Q:問い,問いかけ,エネルギーが高まる箇所
A:問いに対する答え,エネルギーが解放され,落ち着く箇所
を基本に,どこがQでどこがAか,探してみます。
最初は必ずQから始まります。
例1:下のようにQとAを決めてみます。

実際に弾くときは以下のような具合になります。

例2:QとAをこのように決めることもできます。

もっと細かく決めることも可能です。
音楽は,エネルギーの高揚と解放でできていると言っても過言ではありません。
感情の高まりや高揚は自然なものですが,ピアノ演奏で音楽を一つの作品として仕上げる際は,入念な読譜と緻密な計算が必要です。
〈フレージング〉と〈Q&A〉は,その手段のひとつと言えます。
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