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読譜

7. フレーズ ②

〈フレージング〉

フレージングとはフレーズを奏でることを言います。
下の譜例に見てみましょう。

ブルグミュラー:25の練習曲「3. 牧歌」より

1,2小節(前奏部分)のフレーズはおおむね前ページに示した下の図のようになっています。

打鍵のIn/Stay/Outと,クレッシェンド,デクレッシェンドを譜例に書き込んでみました。

​下の譜例のとおりに弾いて(打鍵して)みましょう。

クレッシェンドでは,指先にのせる重みを少しずつ重くしていきます。

フレーズ・トップにあたる2小節目の1〜2拍目にはもっとも重くのせ,その後Outに向かって少しずつ軽くしていきます。Outでいったん指先を引き揚げ,3小節目のIn(1拍目)でまた落とします。

左手はすべてInで打鍵します。
手首から指先を鍵盤に落とすだけの打鍵です。
打鍵したとき,指先が鍵の底に当たる感触を味わいます。

音楽にはこのように,エネルギーの盛り上がる箇所と,エネルギーが引いていく(解放される)箇所が,波のように押したり引いたりしながらできています。
音楽はただ淡々と流れているのではなく,呼吸をしたり,感情が高まったり,落ち着いたり,そういった人間のバイオリズムと同じように,音楽も流れていきます。


演奏者はそれを楽譜から読み取りながら,音楽をつくっていきます。

フレーズの例

どの曲でもフレージングの手法は基本的に同じです。
下の譜例は1スラーあたり1フレーズになっています。
スラーの中央あたりに高い音や性格の強い音(属七や非和声音など)があります。

Chopin, Nocturne Op.9-2(筆者編)
Ravel, Pavane pour une infante défunte(筆者編)

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