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メカニズム
4. 空間認知
空間を知る
少し難しい話になります。
音楽とは,空間に音で描く芸術です。
ですから空間を知ることは,音を鳴らすことと同じくらい重要であります。
空間は,目(視覚)と耳(聴覚)と肌(触覚)で感じ取ります。
目(視覚)
ピアノに向かい,姿勢が整えます。
そのまま動かず,目で捉えられる範囲の空間を認識します。その後,少し目を動かして壁や天井を目視します。その後,首を少し動かして(90度以上は回さない)もう少し広い範囲を目視します。
その空間はどのような空間でしょうか。
材質(木・石・クロス貼りなど),広さ・大きさ(天井の高さ,壁までの距離など)等々。
耳(聴覚)
次に,聞こえてくる音を探します。
その空間の中で鳴っている音,外から聞こえてくる音,どんな音でもかまいません。
聞こえてくる音があったら,耳を澄まして注意深く聞き,認識します。
肌(触覚)
次に,背中の後ろにある空間を,体の背面(背中・上腕)で感じ取ります。
ふだん練習する部屋も,本番の舞台の上でも,方法は同じです。
目→耳→肌,の順で空間を意識し,感じ取ります。
空間を把握したらさっそくピアノの音を鳴らしてみます。
このとき,目はまっすぐ前を見ます。鍵盤は手指に任せます。
音を耳でよく聞きます。音の大きさ,反響の具合,等々。
音が空間にどのように響いているか,目と耳と肌で追いかけます。

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