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​実践

4. 小さなつどい 

〈ブルグミュラー25の練習曲〉より

この曲で学ぶこと

1. 耳を養う、聴覚を磨く、脳で弾く

 - 耳と指先の連携(聴覚と触覚の連携)

​ - ①耳(聴覚)を教育し→②指先(触覚)に教える、練習方法

 - 和音(3度・6度)の練習方法

2. 右手と左手の独立

 - 右手と左手、それぞれの役割を脳に徹底的に叩き込む練習方法

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1. 耳を養う、聴覚を磨く、脳で弾く

input/output

​突然ですが、〈脳〉の話をしたいと思います。

「ピアノは脳で弾く」という言葉を聞いたことはありますか?

鍵盤は指先で操作しますが、指先に運動命令を下しているのは〈脳〉です。

脳は五感(聴覚・視覚・触覚・味覚・嗅覚)を司り、全身の筋肉とつながる神経を司ります。

指は、脳が命じたとおりに動き、鍵盤を操作します。​

​だから、指の動きを鍛えるより、〈命令を下す脳の方を鍛える〉方が効率が良いと言えます。

脳へのインプット(input)とアウトプット(output)

脳に情報が送り込まれることをインプットinput、脳から運動指令が下されることをアウトプットoutputとここでは呼びたいと思います。
​読む、聞くはinput、書く、話すはoutput、肌で感じることはinput、動くことはoutput
脳に一度にinputする情報量は、少ない方が情報処理が容易です。つまり、早く覚えてくれます。
​その脳の機能を踏まえて、次のような練習を進めていきます。

和音(3度・6度)を両手で取り分ける練習

まず、2〜14小節目の右手パートの3度の和音の上を右手で、下を左手でとって二重唱のように弾く練習をします。(ヘ音記号のパートはここでは弾かない)​

右手と左手の音量を、右6:左4くらいで弾きます。右手の方が少し大きめです。

​初見ですぐに弾けない場合、右手だけ、左手だけで練習します。

​それからゆっくり合わせます。

両手で流暢に弾けるまで練習します。

十分に満足できるくらいに弾けたら、右手だけで本来の楽譜どおりに弾きます。

この段階で、脳内には、両手で弾いた、音のそろったバランスの良い和音がinputされています。

​右手だけで弾くときも、その良い音を鳴らすよう、脳が自然と指先に命令をくだすようになります。

​3度の和音を弾くことになれていない方は、最初はぎこちないかもしれないですが、両手で弾いたときの良い音が鳴るまで、ゆっくり、丹念に練習してください。

両手で弾いたときと同じように右手だけでも弾けているか……それを判断するのは耳〈聴覚〉です。

​耳の判断に従って、指の打鍵を工夫する、調整する、それを繰り返すことで、耳と指先、聴覚と触覚の連携がとれるようになってきます。

15小節目以降も、同様に練習します。

2. 右手と左手の独立

右手パートと左手パートをそれぞれ両手で弾きます。

右手と左手が独立する、とは、脳が右手と左手を〈別々に聴き分けられること〉を意味します。

別々に聴き分けられるよう、まず、右手パートの音と左手パートの音を、別々にinputします。

これは、片手ずつ弾くより、片手のパートを両手で(ユニゾンで)弾く方がより効果があります。

右手が左手パートの音と動きを、左手が右手パートの音と動きを知ることもできます。​

​それぞれのパートを念入りに弾いたのち、本来の楽譜どおりに弾きます。

​※強弱記号、スラー、フレージング、形式等は、ダウンロード用楽譜 4.「小さなつどい」解説入りをご参照ください。

ダウンロード用楽譜

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4.「小さなつどい」

4.「小さなつどい」解説入り

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