実践
20. タランテラ
〈ブルグミュラー25の練習曲より〉
この曲で学ぶこと
1. タランテラの様式(踊りの一種)
- 書いてある記号を徹底に読むこと。
そのとおりに弾けばタランテラになるように書かれている
2. ロンド形式(Intro-A-B-A'-C-A'-Coda)
(AとA'は,最後の終わり方が違う)


1. タランテラの様式(踊りの一種)
タランテラは踊りの一種で,速いテンポと激しいステップが特徴です。
イタリアに古くから伝わり,タランチュラ(大きな毒グモ)にかまれた人が,毒を抜くために激しく動き回る踊りがタランテラの由来と言われています。
多くが3/8,6/8拍子で書かれ,この曲も6/8拍子です。
書いてあることをすべて音にする
① 最初はゆっくりなテンポで楽譜をていねいに細かく読んでいきます
② クレッシェンドとデクレッシェンドは重力(指先にのせる重みの調節)だけで行います
③ テンポは慎重に上げていきます。打鍵のクオリティをいつでも優先します。
書いてないことはしない
この曲は,楽譜に書いてあることを忠実に音にすればタランテラになるように作られています。
タランテラっぽい感じを独自で追求する必要はありません。
2. ロンド形式
Intro-A-B-A'-C-A'-Codaのロンド形式で書かれています。(下の譜例参照)
ロンド形式では,A(A')が軸になって音楽が展開していきます。
BとCは独立したモチーフで,それぞれ独自のシーンを描いています。
AとA'は前半4小節が同じメロディで,後半4小節のメロディが異なります。
2度のA'は必ず同じ音量・音色・打鍵で弾きます。


その他
ペダルを使えるところはどんどん使ってみましょう。
たとえばBの部分は前半4小節はソフトペダルが効果的に使えます。Codaの65〜66小節目(poco. riten.の箇所)も使えます。
Cの箇所は「和声ペダル」(打鍵と同時にダンパーペダルを踏む)が効果的に使えます。打鍵と同時に踏み,鍵から指を離すときに一緒にペダルも離します。
ペダルは怖がらずに,どんどん使ってみてください。