
実践
10. やさしい花
〈ブルグミュラー25の練習曲より〉
この曲で学ぶこと
1. 手首の呼吸:スラー、フレージング
2. フーガの入口:2声の旋律のかけ合い

手首の呼吸:スラー、フレージング
手首を柔軟に。スラーを正確に読んでいきます。
1小節目:
音符2つごとにスタッカートが付き,息が急くような音型になっています。
一音ごとにIn-Out, In-Out, In-Out...で打鍵し,手首は打鍵の動きに柔軟に従います。
2小節目:
右手・左手とも,1拍目と3拍目でInの打鍵で。
5小節目〜:
音楽が大きく動きます。スラーごとに手首の息継ぎをしながら6−7小節目のクライマックスに向かっていきます。

手首はあくまで指先の打鍵に付き従って動きます。
手首が指の動きを先導することがないように意識します。
3段目以降も同じように譜読みをしていきます。
フーガの入口:二つのメロディのからまりが作る音楽
多くの曲は,右手がメロディ,左手が伴奏,といった形でできていますが,複数のメロディが絡み合うように音楽が成り立っている曲もあります。フーガはそのひとつです。
「やさしい花」にも,右手と左手のメロディが絡み合う箇所が出てきます。
2段目と6段目がそれにあたります。ここで弾き方,練習の仕方を学びます。
練習方法
1. 両手で右手・左手のパートを弾きこむ
指づかいは楽譜どおりでなくてもかまいません。スラーや強弱は正確に音にします。

右手パート:

左手パート:
両手で片手のパートを弾く練習は,脳へのinputが目的です。この練習を丹念にすることで,聴覚が鍛えられます。(参考:4.「小さなつどい」1. 耳を養う、聴覚を磨く、脳で弾く)
また,右手が持つクセ,左手が持つクセを,反対の手が矯正してくれる効果もあります。
2. ゆっくり合わせていきます。両方のメロディに聴覚神経をしっかり働かせながら弾きます。
